2016年11月16日水曜日

国内ポリオレフィン価格① 次回の価格改定予想

国内ポリオレフィン取引価格の決め方には、①ナフサ価格、ポリオレフィン需給などを反映させる月決め、②国産ナフサ価格の変動を100%反映させる四半期毎の値決め(期ズレ0~4ヶ月)、③ポリオレフィンメーカーの国産ナフサ価格の見込みを基に交渉し、概ね四半期毎の値決め(期ズレ0ヶ月)などが存在します。

昨今の注目されている取り決めは③のパターン。値上げのときは、ポリオレフィンメーカーから事前に値上げの打ち出しにより価格交渉が始まります。一方で、値下げのときはポリオレフィンメーカーからの打ち出しはなく、需要家側からの値下げ要求で交渉が始まります。国内外の市況、需給などの情報量はポリオレフィンメーカーが圧倒的に多いのが現状であり、需要家にとっては価格改定幅が実態と乖離することも過去に経験したのではないでしょうか。また、値下げの時は需要家にとって、タイムリーな値下げ実施の機会を逸したこともあったのではないでしょうか。ただ、ポリオレフィンメーカーも同様な理由ではないですが、値上げ時においては、値上げ実施が希望通りにならないこともあり、ナフサ価格の変動が大きい場合は交渉が進まず、売り手買い手双方ともにストレスが溜まる状況に陥ってきました。

最近、価格改定(値上げ)も見られなくなりましたが、来年後半には値上げ打ち出しがあるかもしれません。
以下あくまでも予想と勝手な解釈ですので、雰囲気を味わうだけに留めてください。

【次回の価格改定打ち出し(値上げ)予想:メーカーの内容】
価格改定幅: 10円/kg以上 
理由:    
201X年第?四半期の国産ナフサ価格は40,000円/KLを超える水準となることが見込 まれます。 
厳しい経済環境の下、生産の効率化、投資の抑制や徹底したコスト削減に継続的に努めてまいりましたが、原燃料の変動によるコスト上昇分は自助努力のみで吸収することは困難であり、価格改定をお願いせざるを得ないとの結論に至りました。


【上記の意訳】*あくまでも個人的な想定です。
価格改定幅: 取り敢えず、10円/kg以上、状況によっては分割でも。
       もしかしたらマーケット次第では取り下げることもあります。
理由
取り敢えず、ここ数年は儲けさせてもらいました。いつかは値上げのタイミングが来るとは予想していました。まだ、201X年第?四半期の国産ナフサ価格は40,000円を超えるか分からないけど、足元だけを見れば、その水準を超える可能性はあります。実際の価格改定の打ち出しを行うときの国産ナフサ価格の見込みが40,000円を超える勢いがないかもしれませんが、タイムリーに打ち出せないのは会社の事情です。ご勘弁ください。ただ、40,000円を超える、超えそうな、超えるかもしれないということが感じられたのは事実です。自分たちの適正な利幅の話はできませんが、コストが上昇していることは事実です。だから10円/kg以上の値上げを打ち出します。需給の引き締まりが続いていることから状況によっては、強引な値上げになるかも知れませんし、ではなく、月毎に少しずつ値上げさせてもらうかも知れません。ここ数年値下げ幅を抑え、儲けさせてもらい会社全体で喜び合えたの久しぶりです。親会社からも褒められました。迷惑ばかりかけていましたので。また、需要家からの値下げ交渉に対し、強気に進めたのは確かです。毎月の交渉で小出しに値下げする流れができてしまい、いい仕事しているなぁと自分に浸ってしまったことも事実です。ポリオレフィンの明るい未来を創るためにと思って…。申し訳ありません。勿論、コスト削減は常にして来ましたよ。自助努力もしたので、還元すべきところはあったかもしれません。毎回毎回同じような理由を述べて値上げをするのも忍びないと感じています。こんなに儲けさせてもらったのは未だかつてなかったのです。転換期が来たのかもしれません。この業界はある時期まで良かったが、昔はいろいろ問題がありました。その後は厳しい状況に追い込まれ、メーカーは減り、事業規模縮小となったり・・・。最近は運も重なり、いい夢を見させてもらいました。しっぺ返しが来るかもしれない状況をわかっています。どうぞお手柔らかにお願いします。


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ちょっと書きすぎました。

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