予定通りに特恵関税制度の見直しが記載されている。
内容は以下の通り
特恵関税制度の見直し
全面適用除外措置の対象国の基準に「高中所得国」以上に該当すること等を追加する等の見直しを行う。
この日に決定した税制改正大綱の内容を盛り込んだ税制関連法案を、年明けの通常国会に提出し、成立を目指すことになる。
この「高中所得国」が追加されることは予定通りであった。
どこの国が新たに該当するのであろう?ポリマーを輸入する需要家同様に気になった。
いや、ほんのちょっとだけ気になった。
11/24の関税分科会の資料を見ると、
現行制度の概要として
1.特恵関税制度とは
2.特恵関税制度に係るWTOルール
3.一般特恵関税の適用除外・卒業制度
① 特恵受益国からの除外(全面卒業)
② 高所得国に係る特恵適用除外措置(部分卒業)
③ 国別・品目別特恵適用除外措置
4.特恵関税制度の見直し
などの内容が記載されています。
また
検討として(一部抜粋)
卒業要件の追加
具体的な要件としては、特恵関税制度の趣旨、WTOルールとの整合性、諸外国の制度等を踏まえ、上記①については世界銀行統計の「高中所得国」以上に該当すること、②については「世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が一定以上であること」とし、①と②の双方に該当する国を全面卒業制度の対象国に加えることが適当ではないか。②の具体的な水準については、先進各国の輸出額の水準を踏まえ、十分な輸出競争力を有していることを判断する基準として「1%」とすることが適当ではないか。なお、カナダも「世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が1%以上であること」を世界銀行統計の所得基準に加えて別途設定している。また、制度の安定性及び関係者の予見可能性の確保の観点から、現行制度と同様、①と②の要件に3年連続して該当した国を特恵対象から除外することが適当ではないか。
(参考)現在の所得及び輸出額の水準が維持されるとした場合、新たに卒業要件に該当することとなるのは、ブラジル、マレーシア、メキシコ、中国、タイの5か国。
と記載されています。
ざわつかせるつもりが
ブラジル、中国が特恵卒業? とざわついてしまいました。
12/8に関税・外国為替等審議会会長から麻生財務大臣宛の答申書:平成29年度における関税率及び関税制度の改正なかでの特恵関税の見直しについては以下の通り、説明されています
特恵関税制度は、開発途上国を支援する観点から、開発途上国を原産地とする特定の輸入物品に対して、一般の税率よりも低い特恵税率を適用する制度である。平成12年度より、一定の経済発展を遂げた国に対する全面適用除外措置が設けられているが、現在、特恵関税制度の対象国には、多くの新興市場国が含まれており、かつ、制度の適用実績を見ると、その便益を享受している国が一部の高中所得国に偏在している状況にある。
1.全面適用除外措置の適用基準の見直し等
特恵関税制度の趣旨に鑑みて、より支援を必要とする国に対しその恩恵を行き渡らせるために、その対象国の範囲を見直すことが適当である。具体的には、特恵関税制度の適用実績や諸外国の動向などを踏まえ、全面適用除外措置の基準について、①当該年度の前年までの3箇年の国際復興開発銀行が公表する統計(以下「世銀統計」という。)において同期間中連続して「高中所得国」以上に該当すること、②当該年度の前々年までの3箇年にWTOが公表する統計(以下「WTO統計」という。)において同期間中連続して世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が1%以上であること、のいずれにも該当することを追加することが適当である。
2.部分適用除外措置の適用基準等の見直し
全面適用除外措置の適用基準の見直しに併せて、部分適用除外措置の対象国の基準について、①当該年度の前年の世銀統計において「高中所得国」に該当すること、②当該年度の前々年のWTO統計において世界の総輸出額に占める当該国の輸出額の割合が1%以上であること、のいずれにも該当することを追加することが適当である。また、国別・品目別特恵適用除外措置と単位を揃え、部分適用除外措置についても、農水産品は品目番号9桁単位、鉱工業品は4桁単位で適用することが適当である。
3. 実施時期
我が国の事業者・消費者及び適用除外となる国の経済に与える影響の緩和、また円滑な制度移行の観点から、猶予期間を設けることとし、新しい基準の実施時期は、部分適用除外措置は平成 30 年度から、全面適用除外措置は平成 31 年度からとすることが適当である。
4. 特恵除外措置の適用(現行基準によるもの)
全面適用除外措置の適用基準を踏まえ、ウルグアイ、セントクリストファー・ネーヴィス及びチリについて、特恵関税制度の適用対象から除外することが適当である。 国別・品目別特恵適用除外措置の適用基準を踏まえ、農水産品 17 品目及び鉱工業品374 品目(いずれも輸入統計品目番号(9桁)ベース)について、平成 29 年4月1日から平成 32 年3月31日まで、特恵税率の適用対象から除外することが適当である。
ブラジル、中国の特恵卒業はないのかな?
気になる方は調べて、ざわつかせてください。
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