10月分中国統計を更新します。
中国は、製油所の新設や高度化などにより石油製品の供給能力を増大させた。しかし、国内の石油製品の需要の低迷から需給バランスが崩れ、その解消のためにガソリン、軽油、ジェット燃料などの輸出を政策的に増やしている。そのために輸出に合う品質の改善を進めている。その影響は貿易国の韓国や日本などへも影響が及んでいくことになる。
(前回と同じコメント)
以下は中国の原油、ガソリン、軽油、ジェット燃料の輸出統計。
グラフ 単位:1000トン
原油

ガソリン

大幅な伸び、まだまだ伸びる
軽油

大幅な伸びを継続
ジェット燃料

2ヶ月ぶりに前年超え。
一方で石油化学関連に目を向けると石油化学製品の原料となるナフサが国内生産だけでは不足する状況が強まり、ここ数年はナフサの輸入量が増加している。ただ、その伸びの勢いはスローダウンしている。また、2013年からPDH (プロパン脱水素装置)の新設が増え、プロピレン生産のために原料となるプロパンの輸入が増加している。
以下は中国のナフサ、プロパンの輸入統計。
グラフ 単位:1000トン
ナフサ

石炭、プロパンベースの石化製品プラント増で伸びが見られない。昨年が突出していたということもあるが、5ヶ月連続の前年割れ。10月のナフサ生産量は282万トン、前年同月比19.3%増。1-10月累計では2701万6000トン、前年比14.7%増 石油製品の生産は独立系精製業の影響で増えている。また、輸出枠が与えられているところもある。
なお、10月はナフサの輸出が1万7732トンあった。1月以来の輸出となった。