2016年11月4日金曜日

ポリマー輸入関税

ポリオレフィンのなどのポリマー(ペレット)は段階的関税撤廃となります。主要ポリマーに関して、タイ産は20124月よりEPA特恵税率が無税、ブルネイ産も20154月に無税となっています。マレーシア産が20164月から無税になったばかりで、その他の国おいては、シンガポールおよびチリ産が20174月、インドネシア、アセアンおよびフィリピン産が20184月、スイスおよびベトナム産が20194月、インド、ペルーおよびオーストラリア産が20214月に無税となります。

原産地におけるポリマーメーカーの政策もあるが、いくつかのポリマー輸出国においては、日本向けの輸出は新たな市場開拓において追い風となっています。ちなみに現在、日本が経済連携の推進について交渉中であるのは、日ASEAN包括的経済連携(サービス・投資交渉)、カナダ、コロンビア、日中韓、EURCEP[東アジア地域包括的経済連携:日本、ASEAN10カ国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド及びインドが交渉に参加。]、TPP[(環太平洋パートナーシップ協定):日本、シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイ、アメリカ合衆国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシア、カナダ及びメキシコが交渉に参加。]、トルコとなります。その他、GCC(湾岸協力理事会)とは交渉延期、韓国とは交渉中断中でした。

2016年度の主要ポリマー(プラスチック類(項番号9))の一般特恵税率およびEPA特恵税率は以下の表の通りとなります。

対象品目 : 各品目の塊、粉、粒、フレークその他これらに類する形状のものに限定
関税率 : 従価税と重量税が示されている品目はいずれか低い関税率を適用する




* 非特恵国   ** シンガポール、ラオス、ベトナム、ミヤンマー、ブルネイ、マレーシア、タイ、カンボジア、フィリピン
*** 日・オーストラリア経済連携協定(日豪EPA)が2015115日に発効されている。


間違いあれば、ご指摘下さい。

たまにLLDPEを間違ったHS codeで輸入した話を聞きます。お気を付けください。
また輸出側と輸入側のHS code基準の品目定義の認識の違いから悩んでいる方もいます。
支払う税額や費やす時間を無駄にしないでください。



2016年11月2日水曜日

国産ナフサ価格の算出方法

国産ナフサ価格のお話


国産ナフサ価格は様々な石油化学製品の価格決定の指標となっている。年々増え続けているフォーミュラ形式や、変動幅を抑えるべく行われる価格交渉にも、国産ナフサ価格は国内の多くの取引において使用されている。

国産ナフサ価格の算出方法について
財務省のナフサ貿易統計値(輸入統計)を基に、3ヶ月の輸入金額の合計を輸入数量の合計で割り返して算出(加重平均)する。この輸入単価(CIF JAPAN、円/KL)に2000/KLを加算し、十の位を四捨五入したものが国産ナフサ価格となる。財務省貿易統計値は、当該月の翌月末に速報値、翌々月末に確報値、年度最終月中旬に確定値として発表される。国産ナフサ価格は各四半期の貿易統計値が一番早く出揃う日、つまり第3月の速報値の公表日に決定する。計算に使用する貿易統計値は、第1月が確報値、第2月が確報値、第3月が速報値となる。
国産ナフサ価格を計算するにあたり、3ヶ月分の輸入統計値を 確報値・確報値・速報値で使用するのが一般的であり、ポリオレフィンが該当するが、原料であるオレフィンの取引において輸入統計値は全て確報値を使用する。よってオレフィン取引に使用する国産ナフサ価格は第3月の確報値の公表日となるため、1ヶ月遅く判明する。


財務省貿易統計公表予定日
財務省は25日、同ホームページで掲載する貿易統計の公表予定を、20164月分~20173月分に更新した。これにより輸入9桁速報および前月分輸入確報、輸出確報の公表予定日が明らかになっている。2016年の国産ナフサ価格の構成要素となる各月の輸入統計の公表日は以下の表の通りとなる。


国産ナフサ価格
財務省貿易統計値
財務省貿易統計公表日
国産ナフサ価格
構成要素
輸入数量
輸入金額


KL
速報値
確報値
確定値
2016
1月輸入統計
A
B
226
330
2017 3月中旬
1Q
2月輸入統計
C
D
330
427
20173月中旬

3月輸入統計
E
F
427
527
2017 3月中旬

4月輸入統計
A
B
527
629
2017 3月中旬
2Q
5月輸入統計
C
D
629
728
2017 3月中旬

6月輸入統計
E
F
728
830
2017 3月中旬

7月輸入統計
A
B
830
929
2017 3月中旬
3Q
8月輸入統計
C
D
929
1028
2017 3月中旬

9月輸入統計
E
F
1028
1129
2017 3月中旬

10月輸入統計
A
B
1129
1227
2017 3月中旬
4Q
11月輸入統計
C
D
1227
130
2017 3月中旬

12月輸入統計
E
F
130
2017 3月中旬
2017
1月輸入統計
A
B
224
330
2017 3月中旬
1Q
2月輸入統計
C
D
330
427
2017 3月中旬

3月輸入統計
E
F
427
5月末*
2017 3月中旬

国産ナフサ価格計算式

国産ナフサ価格 = 輸入金額合計(B + D + F / 輸入数量合計(A + C + E +  2000/KL    
*十の位を四捨五入
          
普通貿易統計(確定)
普通貿易統計(確定)は、2015年分〔1-12月〕の確定値が2016年311日に公表された。
貿易統計は、速報、確報、確定の順に発表される。 速報(輸入9桁速報)は 毎月の定例的な訂正作業の最終締切日で作成したものとなる。確報(輸入確報)は 輸入の簡易申告制度の導入に対応するため、輸入について確報を1ヶ月遅らせることとしており、公表が、翌々月末頃となる。12月分については、確定の発表が直ぐにあるため、確報発表を行っていない。 確定は、 定例的な訂正作業を終了した後に訂正箇所が新たに発見された場合、統計数値をそのたびに訂正することはせず、翌年に一括して訂正を行い、確定とする。「確定」を発表して以降は、訂正箇所が新たに発見されても、統計数値を変更しない。
ポリオレフィンなどを中心とする石化製品の取引において一般的に使用されている確報値・確報値・速報値ベースの国産ナフサ価格と、オレフィン取引における確報値・確報値・確報値ベースの国産ナフサ価格において、2000年以降の両方の国産ナフサ価格に差が生じたことはない。しかし、2008年の国産ナフサ価格に新たな計算方法が適用されることになった。使用されていなかった年度末に公表される確定値を使用しての計算である。2007年までは、ポリオレフィンを含めた石化製品を取引する関係者の多くは、年度末に公表される確定値の存在さえ知らなかったが、2008年の国産ナフサ価格連動の取引において、事後の価格調整を見ることとなった。20093月中旬に公表された20081月~12月の確定値をもとに国産ナフサ価格を計算すると、一般的な国産ナフサ価格(確報値・確報値・速報値)と差が生じていることが判明した。20081Qの国産ナフサ価格は従来のものより100円安の66600円、4Q200円安の52000円となり、ポリオレフィンに関連する取引を含む一部の石化製品取引おいてに年度末おける価格調整が行われた。国産ナフサ価格(確報値・確報値・速報値)と年度末に公表される確定値をもとにした国産ナフサ価格が異なったのはこの他に4件あり、20103Q(確定値基準が100円安)、20111Q(確定値基準が100円高)、20122Q(確定値基準が100円安)、20133Q(確定値基準が100円高)となった。 

/// お見せします石油化学記録簿の底力を /// 3.23

  超過激師弟 管理人から3/23のDAILYレポートのTOPICS項目のお知らせ。 ご興味あれば、 ご一報をくださいませ。  E MAIL : petchem.recordbook@gmail.com ・シージーエスター、フタル酸系可塑剤など値上げ ・カネカ、変成シリコンポリマ...